現在開催中のコレクション展「初公開 上杉家ゆかりの名品と地域の歴史を語る資料」から、注目の展示品を何度かに分けて紹介します。
本展覧会では、上杉家や米沢藩士ゆかりの資料のほかに、町や村に生きた人々の生活や信仰がわかる資料も展示しています。なかでも「下小菅村記録帳」は江戸時代の中ごろから約160年にわたり書き継がれた、貴重な村の記録です。冊子の厚みに注目して、ぜひご覧ください。
下小菅村記録帳 1冊
明和4年(1767)序
24.0×15.0
2007年度 購入(平田文書)
〔解説〕
米沢藩領・下小菅村(米沢市)の村内の決め事や村役人の人事、隣村との争いなどを記した冊子で、中断しつつ昭和6年(1931)頃まで書き継がれています。
肝煎(村役人)仁右衛門の序によれば、同村には記録類がなく、老人の言い伝えだけに基づいて物事を判断していたため、不正や遅滞などが生じていた、よって二年前に村の全員が相談し、この記録を作成することにした、と記されています。村役人が村の総意として記録をつけ基準としていく、村政の成熟をうかがい知ることが出来る史料です。
平田文書
個人の収集資料二三〇点で、江戸時代の上新田の年貢関係を中心に下小菅、藤泉(いずれも米沢市)の村方文書が多く、武家の書状も含みます。
皆さまのご来館を心よりお待ちしております。
【お問い合わせ】
米沢市上杉博物館 0238−26−8001