征夷の38年の戦いが終わって250年
その間朝廷と蝦夷の間では小競り合いはあったものの大戦さは起こらなかった。
蝦夷で蝦夷を制する対策で地場の長の中には地方豪族として強大な力を保持するものが出てきた。
陸奥国では安倍一族、出羽では清原一族がそれにあたる。
それに国府の出先に派遣された役人と地方豪族が婚姻関係を結び土着化が進んだ。
亘理の役人藤原経清、伊具郡の役人平永衡は安倍一族の娘と結婚している。
ちなみに 藤原経清は平将門を討った藤原秀郷嫡流となります。
そのような環境の中で陸奥国の安倍一族が所領の境界線を越えて南進するとともに
貢租を拒んだことから再び蝦夷と朝廷の争いが勃発してしまいます。
この戦いが後に前9年の戦いと称されることになります。
この戦いでは源氏の棟梁源頼義、義家親子が派遣されますが安倍一族の防戦は固く
出羽の清原の援軍を頼ることで終結を見ます。安倍一族は斬首され崩壊します。
亘理の藤原経清、伊具の平永衡親戚関係となる安倍側に味方し安倍一族とともに処刑さてしまいます。安倍の所領は出羽の清原が受け継ぐこととなり東北すべてを所領とします。
戦後、安倍一族の娘であった藤原経清の妻と男の子はいかなる理由か、清原の後妻として生き残ることになります。清原家にはすでに先妻の子嫡男がおり、更にその後男子が生まれ、連れ子と含め3人の男子の複雑な関係がその後の後三年の戦いに引き継がれていきます。
写真は1巻から3巻までですが 前九年の戦いを藤原経清を主人公とした蝦夷側から見た歴史物語がつづられています。 続く